香港「逃亡犯条例」改正案反対デモの5つの請求!アニメで知ってほしい!(日本語訳掲載)
6月に入ってから世界が注目してきた、香港での「逃亡犯条例」改正案に対する反対デモ。
香港政府はすでに「逃亡犯条例」改正案審議の延期を明言し、22日夜には「現時点で実質的に廃案に等しい」と強調していますが、香港市民の要求は廃案のみではありません。
彼らの5つの請求をアニメにした作品がYouTubeにアップロードされました。
これまでのデモの中で起きた事実などを盛り込みつつ、ひじょうによくまとまっていますので日本語訳とともにご紹介します。
6月20日 「逃亡犯条例」改正案反対5つの請求
我々は香港を愛する一群の市民だ
政府は我々の意思を無視し、暴力を駆使した。
我々は今まで以上に断固として再度5つの請求を訴える。
第1、「逃亡犯条例」改正案の完全撤回。
改正の審議延期では後日、再度改正しないという保証はない。
我々は全面撤回し二度と審議しないことしか受け入れない。
第2、反対運動を暴動と決めつけたことの撤回。
大部分のデモ参加者は平和的な形で反対活動をした。
最も暴力的だったのは暴動を制止するという名目を借りて、市民に暴力を振るった警察だ。
だから我々は”暴動”という表現は受け入れられない。
第3、すべての逮捕者の釈放。
特に学生や負傷者に対する起訴を取り下げ、後日、デモ参加者に対して迫害を加えないと保証せよ。
第4、警察の職権乱用による暴力の追及
過去1週間に警察は必要のない状況で丸腰のデモ参加者や記者に対して暴力を振るった。
我々は警察当局に対し、職権を乱用して暴力を振るったすべての警察官に厳正な処分を下すことを求める。
第5、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任
行政長官の林鄭月娥行は何度も民意を無視し、独断で悪法を推し進めて、社会の亀裂を過激化させた。
我々は完全に人心を失ったこの長官に対し、責任を取って辞任することを強く要求する。
上記5つの請求受諾を勝ち取るまで、我々は決して撤退しない。
動画背景の説明
冒頭の打ち上げられた白いものから逃げる人々の様子は、警察がデモ隊に催涙弾を投げた事実を描いています。
赤い紙に書かれた悪法を繰り出す骸骨は、林鄭月娥行政長官を中国共産党政権の傀儡であると表現したもの。
座り込みをする人を警棒で殴り、近距離からゴム弾を発射する警察官。
暴力に抗議をするデモ参加者に催涙スプレーを吹き付ける警察官。
救急車を拍手で見送るシーンは、道路にひしめき合うデモ参加者の中を救急車が難なく走り抜けたエピソードです。
救急車を先導して1人の青年が走ってくるとモーゼの十戒のようにサッと道が開けた様子は世界の感動を生みました、
ラストに背中を向けて立つ黄色のレインコートを来た人物は今回のデモで亡くなった青年です。
6月15日、彼は午後から高所に上り、逃亡犯条例改正案の全面撤回を訴える横断幕を張って抗議活動をしていました、
夜になってイントレから外に体を乗り出したため消防員が取り押さえようと服をつかんだものの、彼自身は落下してしまったとのこと。
次の日、抗議者らは彼の死を悼み、黒いTシャツを着て白い花1輪を持って集まろうと声を掛け合いデモに参加しました。
香港のデモは日本も他人事ではない
今回のデモで「天安門事件の再来になるのでは?」という懸念も報道されていましたが、少なくとも抗議者たちはとても冷静で、要求を平和裏に訴えるという意識がとても強いと思います。
これはとてもいい話だと思ったのですが、香港のデモに参加していた友人の中学校の時の先生が地下鉄に乗っていると、車掌さんがアナウンスで「私は仕事があるのでデモには行けません。でも気持ちは皆さんと一緒にデモに向かいます」と放送し乗客からは一斉に拍手が起こったそうです。
日本にも中国でスパイと判断されて捕らえられたままになっている人が複数いるようですし、香港在駐の企業で働く人や旅行者が何らかの容疑で捕らえられて中国に送られる可能性もあるので、よその国のこととは言い切れない問題です。
21日夜、香港政府が「改正作業は完全に停止し、このままいけば立法会会期が終わる来年7月には、改正案も自動的に廃案となる。政府はその現実を受け入れる」との生命を発表し、「現時点ですでに廃案も同然」というニュアンスを強調していますが、抗議者らは「廃案に等しい」という消極的な言葉ではなく、「廃案にする」というハッキリした表明を求めているのではないかと思われます。
また林鄭月娥行政長官は残り3年の任期満了を待つことなく辞任したとしても、現行の選挙制度では各界から選出された1200人の選挙委員による間接選挙では、中国共産党支持者以外が行政長官に選ばれることはあり得ないので、今後も彼らの戦いは続くでしょう。
彼らの行動に共感できたらぜひ動画をシェアして応援してください。